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福利厚生とは?種類と内容、社員に人気の福利厚生を解説

2023.05.18

企業で働く場合、給与以外に意識しておきたいのが福利厚生です。福利厚生とは、企業が社員に対して提供する給与や賞与以外の報酬のことです。

 

福利厚生は働きやすさに直接関係するもので、場合によっては家族の生活を支えてくれることもあります。勤務環境や条件が見直され、より働きやすい社会へと移り変わっている今、健康に長く働き続けるためにも、福利厚生の手厚さは非常に重視すべきポイントとなってきています!

 

しかし一言で福利厚生といっても、その内容は多岐にわたります。また福利厚生は企業によって内容が異なることも多く、詳細な内容を知る機会が少ないです。

 

本記事では福利厚生について具体的に解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

福利厚生制度とは

福利厚生制度とは企業が社員やその家族に対して行う、健康や生活の維持、向上のための取り組みのことです。特に社内で制度化されたものを指し、社員に対しては、給与や賞与以外の報酬、サービスとして提供されます。

 

福利厚生制度を導入する目的

福利厚生制度の目的は、社員のモチベーションの向上と定着率の上昇です。

近年の少子高齢化の進行で、労働人口の減少は深刻化しています。人材の確保と定着率の上昇は、どの企業にとっても大きな課題です。

一方で、一部の企業で常態化していた、過重労働が明らかになったのも記憶に新しいところです。近年では、労働者側のワークライフバランスに対する意識も高まっており、企業の選択においても「働きやすい環境か」「健康に働けるか」が重視されるようになっています。

そのような動向を踏まえ、企業側も独自の福利厚生を用意することで、人材の定着化をはかっています。

また社員の定着化に加えて、新規の人材の獲得も課題です。各企業では充実した福利厚生によって、社員を大切にする企業であることを強くアピールし、優秀な人材の確保に努めています。

 

法定福利厚生

福利厚生制度には、法律で定められた「法定福利厚生」と、法律外で企業が独自に実施する「法定外福利厚生」の2種類があります。

法定福利制度は法律によって定められた「義務」であるため、提供しない場合は違法行為として罰せられます。

ここでは法定福利制度について、下記の6種類を解説します。

 

健康保険

健康保険とは、加入者がケガや病気をして診療を受けた場合に、その費用の一部を保険者が負担してくれる制度のことです。ここでの保険者とは、加入した健康保険組合を指します。

健康保険では、社員の保険料の半分を企業が負担する労使折半が行われています。

 

介護保険

介護保険とは、介護が必要な高齢者に対する費用の支援制度です。介護保険は40〜64歳の健康保険の加入者が支払うことと定められています。

介護保険も健康保険と同様に費用の労使折半が定められており、保険料の50%を企業が負担します。

 

厚生年金保険

厚生年金は公的年金のひとつで、会社員は加入が義務付けられています。厚生年金では、20〜60歳までに支払った保険料の総額をもとに、65歳以降に年金が支給されます。

厚生年金保険料も労使折半が定められており、50%を企業が負担します。

 

雇用保険

雇用保険とは、労働者の雇用を安定させるために設けられた保険制度で、失業保険や育児休業給付ののもととなるものです。

雇用保険は保険料の2/3が企業の負担となっており、残りの1/3を社員が負担します。

 

労災保険

労災保険とは、業務や通勤のなかで起きた事故や災害によるケガ・疾病・死亡に対して、保険の給付を行う制度です。

労災保険では、保険料の全額を企業が負担することになっており、社員は保険料を支払う必要はないです。

 

こども・子育て拠出金

子ども・子育て拠出金は、児童手当などの子育て支援に関する事業に供される税金です。子ども・子育て拠出金も、企業の全額負担が法律で定められています。

 

法定外福利厚生

法定外福利厚生とは、企業が独自の判断で行う福利厚生のことです。法律で義務化されたものではなく、企業が社員の勤労の支援や企業への定着を目的として任意に設定するものです。

法定外福利厚生には、主に下記の9種類があります。

・制服の支給
・住宅手当・社宅等
・社食・弁当
・健康・医療
・慶弔金

 

制服の支給

会社によっては福利厚生として、制服の支給を設けている場合があります。制服には、まず勤務のための私服を買う必要がなくなり、何を着ればよいか迷わずにすむという点で朝の準備の時短にもつながるなどメリットが大きいものです。

職務内容に適した服装で業務がスムーズに行えるようになるほか、汚れや傷みなどを気にせずに済むという利点もあります。支給品のため十分な品質のものが選ばれていることも多く、福利厚生のなかでも人気の高い分野です。

また企業側にとっては、着用によって仕事への意識の切り替えが高まる、組織への帰属意識が高まる、仲間との連隊意識が芽生えやすいなどの副次的な効果も期待できます。

 

住宅手当・社宅等

法定外福利厚生として代表的なものが、住宅関連の支援です。住宅手当や社宅の借り上げ、持ち家補助など、社員の住宅環境が安定することを目的に実施されます。

社宅の支援では、物件が勤務地の近くにあることも多く、通勤時間の短縮などの面でもメリットの大きい制度です。

ただし福利厚生としては法定外支給のため、支給の条件は企業ごとに異なります。住宅手当の場合は上限額や利用の条件、また社宅の場合は入居資格等に違いがあります。

 

社食・弁当

社員食堂や社内弁当などの食事補助も法定外福利厚生の代表的なものです。費用の全額または一部を負担することで、安価に食事を提供できます。

社外に食事に出ると、移動時間や待ち時間が生じてしまいます。社内に食堂などを設けることで時間を節約でき、より有効的に昼休みを活用できます。

また最近では、近隣のレストランやコンビニなどと提携し、食事券を配布するケースも増えています。食事の自由度を減らすことなく、食事代の自己負担のみを減らせるのが特徴です。こちらも企業によって自己負担の割合は変わります。

食事に関わる福利厚生としては、休憩スペースの無料の置き菓子など、仕事の合間のリフレッシュとして設けられるものも増えてきています。

 

健康・医療

医療や健康では、健康診断や人間ドックの受診補助などが挙げられます。

特に人間ドックは費用が高額になることも多く、検査に丸一日近くかかるなど、通常であれば休暇を取得しなければならないケースも多くあります。福利厚生として提供されることで、心理的なハードルが低くなります。

また最近の事例では、フィットネスジムの利用なども増えてきています。日常的な健康増進に取り組みやすくなるため、疾病の予防的な効果も見込めます。

これらに加えて、社内に医務室やメンタルヘルスの相談室を設けるなど、健康維持に関わる諸設備が設けられることも増えてきています。

 

慶弔金

慶弔関係での補助として、結婚祝い金や出産祝い金、入学祝い金や、傷病見舞金、弔慰金などの支給を設ける企業も多くあります。社員の家族も対象に含めた福利厚生となっており、ライフステージの変化にあわせて、金銭的な補助を受けられます。

 

まとめ

福利厚生は法律で定められた以外に、企業が独自で行う法定外福利厚生もあり、内容は多種多様です。特に法定外福利厚生は企業の方針や理念が強くあらわれるため、単なるサービスの手厚さ以上に、企業を知るためのポイントのひとつになります。

 

労働者にとって、働く環境は非常に重要です。毎日を健康的に過ごし、より充実した仕事をするためにも、福利厚生も含めた企業分析は今や必須といえます。

 

また企業側の立場であれば、よりよい人材が集まるような、実効性が高く魅力的な福利厚生を設けることが重要です。

 

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